ご相談事例
遺産相続放棄の方法について教えてください。

先月、父が他界しました。残されたのは、病弱の母と男兄弟三人で、三人はいまだ独身です。父は小さな町工場を経営しており、現役で社長業をしている途中での急死でした。私たち息子三人は家業を継いでおらず、父の会社の経営状況には関心も持っていなかったのですが、父の死後、母から聞かされる話によれば、最近の不景気により会社の資金繰りが難航し、かなりの借金があったとの事です。父は私たちに心配をかけないようにと内緒で銀行や金融会社からの融資を重ねていたようです。父は生前、母に対して、息子達に迷惑をかけたくないから、父が借金を返せないような事があれば私たちに遺産相続放棄をするようにと話していたようです。いつまでも父は元気で居るものだと思っており、遺産相続の事など考えた事もなかったし、そのような知識も全然ないため、どのようにすれば良いのかもわかりません。母も病弱であるため、私が手続きをしていかなくてはならないのですが、遺産相続放棄と借金の関係すら分かりませんので、弁護士先生回答をお願いします。

相続放棄とは、相続が開始した後、相続人が自らの意思で相続権を放棄する行為を指します。この放棄は、相続財産だけでなく、相続人が相続することになる債務や負債も含めて全てを放棄するものとなります。
相続放棄の理由は多岐にわたりますが、主な理由としては、相続される債務や負債が多いために経済的に不利益と判断する場合です。相続放棄を行うには、被相続人が死亡し、相続人となったことを知った日から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の届出をする必要があり、この期間を過ぎてしまうと、放棄は認められないので注意が必要です（民法第915条1項）。故人が多額の負債を抱えている場合、その債務の返済負担が相続財産の価値を上回る可能性があります。この場合、相続すると、負の資産を引き継ぐことになるため、相続放棄を行うことでその債務の返済義務を避けることができます。
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