ご相談事例
遺産相続の調査をしたいです

３０代の主婦です。主人は長男で、妹が３人います。一番上の妹は結婚していますが、下２人の妹は独身で一人暮らしです。
先日主人の父親が亡くなってしまいました。遺産相続の話が出ているのですが、初めてのことで家族全員何をしたらいいのか分かりません。主人の父親は農家でした。遺産は、家と預貯金、農地として使っていた土地があるようですが詳しくはわかりません。家は現在主人の母親が住んでいます。遺言書はありませんでしたし、妹たちは遠方に住んでいるため、なかなかみんなで集まって相談することもできず困っています。
　みんなで平等に遺産相続をしたいと考えていますが、遺産相続に必要な書類は何でしょうか。みんなが集まる機会は法事の時だけになりそうなので、できればあらかじめ書類等を用意して手間をかけずに相続の手続きを行いたいと思います。具体的に遺産相続に必要な書類を教えてください。
また、その時に必要なものがあれば、合わせて教えていただければと思います。弁護士先生回答をお願いします。

銀行や各種機関に対し、遺産相続の調査をする場合は、相続人本人でないと原則できません。もし、相談者様が相続人である夫に代わり手続きをしたいのであれば、各銀行の求める委任状１枚１枚に相続人である夫から署名押印をもらう必要があるでしょう。
そして、まずは相続財産の調査をします。相続財産調査とは、相続が発生した際に、故人が残した財産の詳細な内容や価値を明確にするための調査のことを指します。具体的には、不動産、預貯金、株式、生命保険の受取金、車、宝石、美術品などの動産など、相続人が受け取ることになる全ての財産と負債を洗い出す作業を含みます。相続財産の調査は、相続税の計算や遺産分割の際の基礎データとして非常に重要です。財産の把握が不十分だと 、相続税の申告漏れや遺産分割の際のトラブルの原因となる可能性があります。
土地や建物などの不動産の評価は公示地価や固定資産税評価額、市場価格などを基に行われます。登記情報サービスを通じて、所有権や抵当権などの情報を取得します。市町村の役場や法務局での調査が必要となる場合があります。公示地価や固定資産税評価額も参考にします。
預金は銀行などの金融機関の調査方法は、故人の名義で開かれた銀行口座や証券口座の取引履歴、残高を確認。通帳や証券の取引明細書、口座状況通知書などを参考にします。
相続財産調査は自分で可能ですが、手間がかかり注意すべき点も多いです。財産の範囲を正確に把握し、文書の収集、財産の現在の評価、税務関連の手続き、負債の確認、遺留分の確認が必要です。特に不動産等の大きな財産がある場合や、家族関係が複雑な場合は、弁護士等の専門家に相談を検討することをおすすめします。

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