ご相談事例
土地の遺産相続について詳しく教えて下さい

私は50代、会社員の者です。私の父親が亡くなり、今回はじめて遺産相続をすることとなりました。既に母親は他界しており、また兄弟もおらず家族としては私一人のみです。長らく病を患っており、そのこともあってか事前に遺言を父親は書いていまして、そこには遺産については一切を私に相続するとの一筆がありました。遺言に従えば私にすべての父親の財産がくると思うのですが、ここで疑問に思う点がありお尋ねします。父親所有の財産として土地があるのですが、この土地についての処分方法が分からず困っています。生前父親は代々引き継いでいた土地を父親名義で所有しておりまして、この土地は父親が所有してからは月極の駐車場として利用していました。父が亡くなった今も駐車場として土地は利用されており、その収入は未だに父親宛に入ってきています。このような土地についても、相続として私のものになるのではないかとは思いますが、今現在駐車場として他の方も利用しており、どのようにこの土地を処分すればよいのか分からず悩んでいます。私としてはこの土地を利用して自宅を建てたいと考えています。土地の遺産相続について詳しくお聞きできればと思います。弁護士先生回答をお願いします。

相続人が相談者様だけの場合には、遺言書の有無に関わらず、お父様名義の土地も当然相談者様が相続することになります。この点、駐車場を第三者に貸しているということですが、賃貸借契約書の期限を確認すべきでしょう。駐車場の場合、借地借家法の適用がないため、居住用不動産のように解約が難しいということはありません。契約書に基づいて駐車場の賃貸借契約を終了させ、その後更地にして自宅を建てるとよいかもしれません。
なお、令和６年４月１日から、相続登記の申請が義務化されます。
(1)相続や遺言によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から３年以内に相続登記の申請をしなければなりません。
(2)遺産分割が成立し、不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から３年以内に、相続登記をしなければなりません。
(1)と(2)のいずれについても、正当な理由なく義務に違反した場合は１０万円以下の過料（行政上のペナルティ）の適用対象となります。正当な理由とは、相続人が極めて多数に上り、戸籍謄本等の資料収集や他の相続人の把握に多くの時間を要するケースなどです。
したがって、不動産を相続したら、早めに登記の申請をし、土地の活用についてはその後ゆっくりとお考えになればよろしいかと思います。ご不明な点等ありましたら弁護士にご相談下さい。

（渋谷駅徒歩5分の法律事務所）
東京都渋谷区渋谷1-6-5 SK青山ビル8階
ウカイ＆パートナーズ法律事務所
弁護士 宮澤 美和
TEL:03-3463-5551