ご相談事例
特別受益についてご相談させてください

50代の主婦です。60代の兄と50代の弟の3人兄弟です。先月私の父が亡くなりました。突然亡くなったため遺言書はありません。また母とは20年前に離婚しています。遺言書がないため父の遺産である預金と父が住んでいた土地と家を3人で分配することになりました。
預金は3人で等分して土地と家は兄が相続することとなりました。ところが弟が土地と家を兄が相続するのに預金が3等分なのは納得いかないと言い、兄と弟で喧嘩を始めてしまいました。兄の言い分は、弟は生前父から車や高価な時計などをもらっているのでその分相続分から引くのが妥当だというのです。そこで、後日話し合おうということにしたのですが、数日後家庭裁判所からから調停申立書が届き遺産分割調停を行うことになりました。
この点、自分で調べたのですが、弟が亡父から受け取った車や高価な時計等は特別受益にあたるのではと思いました。しかし、兄も私も遺産相続および調停についての知識がなく、どのように特別受益を主張すればよいか、誰に相談すれば良いかわからず悩んでいます。弁護士先生回答をお願いします。

遺産分割調停は家庭裁判所で行われる手続きの一つです。調停委員が間に入って、この場合はお兄様、弟様、相談者様で話合いをおこないます。話合いがまとまればそれで終了になりますが、まとまらなければそのまま審判に移行します。審判とは裁判所が判断を下す手続きです。いずれにしても、裁判所から正式に書類が届いたのであれば無視は絶対してはいけません。裁判所に手続きについて質問するのも良いと思います。もっとも裁判所は事務的な手続きしか回答してくれないので、法的な相談であれば専門家である弁護士に相談すべきかと思います。
弟様の言い分はもっともな部分もあります。相続は不動産、預貯金ふくめて相続分に応じて按分されるのが前提です。この場合土地と家はお兄様が相続されたのであれば、お兄様は弟様と相談者様にそれぞれ不動産の価値の1/3にあたる金銭を代償金として支払うことになります。もっとも、弟様は亡父から車や高価な時計等をもらっているとのことです。これは、特別受益に該当する可能性があります。特別受益は、特別受益だと主張する側が立証する必要があります。そのため、車や時計を支払ったという領収書や振り込み履歴、契約書等を探し、裁判所に提出する必要があります。まずは専門家である弁護士に調停期日が始まる前にご相談ください。

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