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不当解雇のお役立ちコラム
不当解雇かどうか?会社の業績不振を理由に解雇されたら?

2026/04/15(水)

会社の業績不振を理由に解雇されたら?対処法を弁護士が解説

「勤めている会社で、業績悪化を理由に解雇されてしまいました。説明会や面談などが一度もなかったし、希望退職募集や退職勧奨もなしでいきなり解雇されるのは納得できません。不当解雇ではないかと思うのですが、解雇を撤回してもらうことはできますか?」
「会社の業績が悪化して、退職勧奨を受けたのですが、断っても執拗に退職勧奨を続けてきます。最終的には、押し切られて退職となったのですが、これは解雇と言えるのではないでしょうか?」
「整理解雇を受けた場合でも、退職金の支給はありますか?」

当法律事務所において、我々弁護士は、会社の業績が悪いという理由で解雇された方から、このような相談を頂くことが多くあります。

本記事では、「会社の業績が悪い」という理由で解雇された場合の対処法について、以下の点を中心に弁護士が解説します。

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「業績悪化」を理由とする解雇

まず、「会社の業績が悪い」という理由で退職をせまり、強引に辞めさせた場合には、執拗な退職勧奨であれば、解雇と言える場合があるでしょう。そして、実際に、会社が、解雇を言い渡す社員に対して「業績が悪い」ことを理由とする場合は「整理解雇」という種類の解雇に該当します。会社が労働者を解雇する場合、客観的合理的理由と社会通念上の相当性が認められない限り、解雇権濫用として違法となります(労働契約法第16条)。

解雇の客観的合理的理由と社会通念上の相当性(以下「合理性・相当性」と表記)の判断基準については解雇の種類により異なります。整理解雇の場合、労働者側に非がなく、専ら会社側の都合による解雇であることから、合理性・相当性が認められるためには後述の厳しい要件を満たしている必要があります。

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整理解雇が認められるための4つの要件

業績悪化を理由とする解雇が認められるためには、判例で示された整理解雇の4つの要件を満たしていなければなりません。

  • 人員整理の必要性
  • 解雇回避努力義務の履行
  • 解雇対象選定の合理性
  • 解雇にあたり適正な手続を経ていること

以下、4要件について順にご説明します。

要件1:人員整理の必要性

まず、人員を整理しなければならない経営上の合理的な理由があることが必要です。「倒産が予見される」などの緊急性が必要か否かについては判断が分かれています。緊急性が認められない場合は、他の要件をより厳格に判断するなどの調整が行われます。

要件2:解雇回避努力義務の履行

たとえば、以下に挙げるような「解雇を回避するための手段」を最大限に講じていることが求められます。

  • 希望退職者募集
  • 役員報酬削減
  • 出向・配置転換
  • 一時帰休の実施
  • 残業規制による残業代抑制
  • 採用の抑制・停止
  • 業務量抑制
  • 非正規従業員の契約解除

これらを全部実施しなければならないわけではありませんが、その会社が実施できる限りの措置を講じても、経営難を克服できないといえることが必要です。

要件3:解雇対象選定の合理性

整理解雇の対象選定の基準及び、基準の適用についても公平で合理的なものであることが求められます。

解雇対象選定の基準として相当なものの例として、以下が挙げられます。

  • 勤務地・職種
  • 勤続年数
  • 勤怠状況(欠勤・遅刻等)
  • 勤務成績
  • 扶養家族の有無・人数・家族の状況

要件4:解雇にあたり適正な手続を経ていること

整理解雇を行うにあたっては、会社が労働者側に対して整理解雇の必要性、時期、方法等を十分に説明し、両者が十分に協議を行って合意を得た手続を経ることが求められます。このような手続を経ずに、抜き打ち的に整理解雇を行うことはできません。

上記の4要件は法令で明文化されていないため、4要件すべて満たしていなければ整理解雇が無効になるか、4要件を総合的に判断するかで判例の立場が分かれています。最近は後者の立場をとる判例が主流となっています。なお、裁判では被告である会社側が、要件を満たしている旨を証明しなければなりません。

4要件を満たしているか否かの判断基準の変化

上記の4要件は法令で明文化されていないため、4要件すべて満たしていなければ整理解雇が無効になるか、4要件を総合的に判断するかで判例の立場が分かれています。

旧来、終身雇用制や年功序列型賃金を主体とする雇用慣行のもとでは、専ら経営上の都合で労働者から仕事を奪う「整理解雇」に対しては厳しい制約が課され、4要件を1つでも満たしていなければ不当解雇とみなされていました。しかし、現在では、以下の理由で4要件を総合的に判断する立場が主流になっています。

  • 4要件が確立される根拠となった過去の判例は被告が大企業のケースが多く、解雇回避のためにとりうる施策の選択肢が少ない中小企業の実情に合っていない
  • 4要件の前提である日本型雇用慣行が崩れ、かつ非正規雇用の労働者が増加している中では、4要件の充足を従来よりも緩やかに認めるべきとする意見が企業や専門家の間で強くなっている
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整理解雇が違法となるケース

整理解雇が違法となるケース

整理解雇が違法と判断される可能性が高いのは、以下の①―③いずれかにあたるケースです。

①一般的な解雇の適法要件である解雇予告や解雇理由通知を行っていない
②整理解雇の4要件を満たしていない(解雇権濫用:労働契約法第16条違反)
③法令上の解雇制限に抵触している

以下、順に見ていきましょう。

1 解雇予告や解雇理由証明書発行を行っていない

整理解雇に限らず、会社が従業員を解雇する場合は、解雇日(労働契約解除日)の30日前までに解雇予告を行う必要があります(労働基準法第20条)。また、解雇予告を行わずに即時解雇する場合は、平均賃金の30日分以上に相当する額を解雇予告手当として支払わなければなりません(同条)。

また、解雇通知を行った際に、従業員から解雇理由証明書の発行を求められた場合は、「遅滞なく」発行しなければなりません(同法第22条2項)。「遅滞なく」の意味については、2週間程度と解されています。

解雇予告または予告手当支払が行われなかった場合や、解雇理由証明書の請求を受けたが2週間以上経過しても発行されなかった場合は、労働基準法違反(違法)となります。

2 整理解雇の4要件を満たしていない(解雇権濫用)

上記の解雇予告または予告手当支払い、解雇理由証明書発行が行われていたとしても、整理解雇の4要件を満たしていないと判断される場合は、解雇権の濫用にあたる違法な解雇となります(労働基準法第16条)。

(1).人員整理が必要な経営状況とはいえない

整理解雇は、経営が悪化した会社が組織を再建するために行うものです。そのため、経営状況や人員削減の必要性について、具体的なデータによって示す必要があります。

業績が落ち込んでいたとしても、以下のような事情がある場合、経営立て直しのための人員整理が必要な状況にあるとは認められず、整理解雇が違法と判断される可能性があります。

  • 整理解雇した後に新規の求人募集をしている
  • 社長が会社の経費で贅沢な会食や高級クラブ通い等をしている
  • 役員報酬が減額されていない
  • 一部の社員に大幅な昇給や賞与増額を行っている

(2).解雇回避の努力を尽くしたとはいえない

整理解雇の効力が争われた判例では、4要件の中でも特に「解雇回避の努力を尽くしたといえるかどうか」が争点となっているケースが数多くあります。

前章の要件2で例示した経費削減策の中で、役員報酬削減や残業規制、業務量抑制、採用抑制等は、いわば行って当然のものといえます。これらを行わずに整理解雇が行われた場合は、要件1の「人員整理の必要性」が欠ける、明らかな不当解雇であるといえるでしょう。

一方、出向・配置転換や一時帰休については、特に中小企業の場合これらを行う余裕がなく、「そもそも出向先や配置できるポストがない」「一時帰休をさせると業務が停止してしまう」といった状況にある会社が少なくないでしょう。このため、出向・配置転換や一時帰休を行わなかったことをもって解雇回避の努力を尽くしていないといえるかどうかは、ケースバイケースで判断する必要があります。

また、非正規従業員の契約解除についても、経営が悪化したからといって安易に行ってよいわけではありません。また、正社員よりも先に全員契約解除する必要はないといえるでしょう。

解雇回避義務履行について意見が分かれるのは、「役員報酬削減・残業規制・採用抑制等は行ったが、希望退職者募集を行わなかった場合」です。希望退職者を募集する場合は、退職金を上乗せして支払う等、自主退職や解雇による退職に比べて退職条件を良くするのが通常です。また、希望退職者が出ることによって、重要な役割を果たしていた従業員が退職する可能性もあります。従って、企業の規模や経営状況によっては、解雇回避策として希望退職者募集を行うのが困難であるとも考えられます。

一方で、希望退職に応じる従業員がどの程度出るかどうかは予測が難しく、経営状況が逼迫した会社で希望退職を募集しても、あまり良い条件を出せないために応募者が出ない可能性もあります。希望退職の募集人数や条件提示について法令の規定がないこともあり、中小企業であってもある程度の条件で希望退職者募集を行うことは可能であるとも考えられます。

この点、希望退職者募集を行わなかったことが争点となったカーニバル・ジャパン事件(東京地裁2023年5月29日付判決)では、裁判所は同社(正社員数67名)が一定の経費削減策を行ったことは認めつつ、以下の理由により「希望退職社募集をしなかったことをもって、解雇回避努力が不十分であったとはいえない」と判断しています。
  • 正社員の人数が67名ながら、5部門に分かれ、各部門で役割が細分化されていた
  • 上記の状況で希望退職者を募集すると、各部門で重要な役割を果たす者が退職する可能性があり、業務に支障が出て組織が存続できなくなる可能性が高かった
  • 希望退職について会社の承認を要する方法をとったとしても、一旦希望退職に応じた者の帰属意識や勤労意欲の低下は避けられない
  • 「事業組織の存続のため」という整理解雇の目的を達成できる範囲で、客観的に実行可能な回避可能措置をとれば足りる

同判決の判断は、特に中小企業が解雇回避策として希望退職者募集を行うべきかにつき、ある程度の目安を示したものといえるでしょう。

(3).解雇対象選定の合理性が欠ける

解雇対象の選定基準を明確に定めず、恣意的に選定が行われた場合は要件3を満たさず、違法となる可能性があります。

たとえば、「単に給与削減等の労働条件切り下げに従わない者」を解雇したり、同じ事業所の一部の従業員には「他部署に配転できる」と通知し、その他の従業員に対して解雇通知する等の対象選定は、判例上合理性を欠くとして無効とされています。これに対し、判断が難しいケースとして、従業員全員を対象とする説明会で会社に残る意思を問う等、一見平等な条件のもとで選定が行われた場合等が考えられます。

この点で参考になる判例として、森山事件(福岡地裁2021年3月9日付判決)があります。同事件では、コロナ禍で経営が悪化した観光バス会社が、従業員全員が参加するミーティングで行った夜行高速バス運転手の募集に「手を挙げなかった」運転手に対する整理解雇の有効性が問題となりました。裁判所は、以下の理由で「解雇対象選定方法の合理性に欠ける」と判断しました。

  • 全従業員参加のミーティングの際に、高速バスによる事業計画を乗務員に示して乗務の必要性を十分に説明したとはいえない
  • 突然行われた高速バス乗務の意思確認に対して、その場で「挙手しなかった」ことをもって直ちに高速バス運転手として稼働する意思が一切ないものと即断して解雇の対象とするのは人選の方法として合理的とは認めがたい

なお、同判決では、会社が「人員削減の規模や人選基準を説明せず、かつ希望退職者募集も行わずに上記ミーティングの翌日の幹部会で解雇対象者の人選を行い、対象者から意見聴取も行わずに解雇予告をした」として、要件2の解雇回避義務履行や要件4の解雇手続についても相当性を欠くと判断しています。

(4).解雇の手続が適正に行われていない

整理解雇の場合、手続要件として前項の労働基準法第20条・第22条2項の要件の他に、従業員全体や解雇対象者・労働組合に対する説明、組合との協議等が十分に行われていることが必要です(要件4)。たとえば次のような場合、要件4を満たさず解雇権濫用にあたる可能性があります。
  • 説明会、個別面談等が行われていない
  • 説明会や個別面談が解雇実施の数日前に行われた
  • 労働組合に対して協議の場は設けたが、組合側の意見聴取が不十分だった

3 法令上の解雇制限に抵触している

上記の解雇予告義務・解雇理由証明書発行義務・整理解雇の4要件を満たしている場合でも、次の法令のいずれかに違反している場合、整理解雇は無効となります。

  • 業務上の疾病による休業期間及びその後30日間の解雇(労基法第19条1項)
  • 女性労働者が産前産後休業する期間及びその後30日間の解雇(同)

ただし、上記の解雇制限期間中であっても、以下の解雇制限除外事由に該当する場合は、整理解雇の対象とすることができます。

ア 打切補償を支払った場合(労基法第19条1項但書・同法第81条)

打切補償とは、業務災害による傷病につき、治療開始後3年経過しても治療が終わらず、従業員が休業を続けている場合に、会社が補償を終了するために平均賃金の1200日分の保証金を支払うことをいいます。従業員の傷病の治療期間が3年を過ぎ、労災保険から「傷病補償年金」を受給している場合も、打切補償を支払ったとみなされます。

イ 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能になった場合(労基法第19条1項但書)

大地震や台風、豪雨災害等の災害により事業所が倒壊・流失してしまった場合等、やむを得ない事情がある場合は、労働基準監督署長の認定を受ければ解雇制限対象者を解雇することが可能です。
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整理解雇の流れ

整理解雇は、以下の流れで行われます。

①整理解雇の具体的方針を決定する
②従業員や労働組合と協議する
③希望退職者募集・退職勧奨・有期雇用従業員の雇止めを行う
④対象者に解雇予告を行う

以下、順に確認していきましょう。

整理解雇の具体的方針と基準を決定する

まず、事前準備として、整理解雇の具体的方針と基準を決定します。おおむね、以下の事項を定めることになります。

1.整理解雇の対象人数

整理解雇する人数は、経営指標等の具体的な数値に基づいて必要人数を算出して決定します。定年退職等、確実に退職が見込まれる人員も考慮する必要があります。

2.対象者の選定基準

整理解雇の4要件の3番目の要件である「解雇対象選定の合理性」に沿うように、明確な基準を設けて対象者を選定します。

3.退職金等の退職条件

退職金は、会社の就業規則や退職金規程に従って算出した金額が支払われます。法律上の規定はありませんが、整理解雇の場合は、普通解雇や自主退職の場合に比べて上乗せすることが望まれます。

4.従業員や労働組合との話し合いの方法

従業員への説明、解雇対象者との面談、労働組合との協議等について、設定方法、説明・協議の内容、頻度等を決定します。

5.解雇日

解雇日を決定するにあたっては、原則として30日前に予告を行う義務があること、及び従業員・労働組合との話し合いの日程等を考慮する必要があります。

従業員や労働組合と協議する

整理解雇の4要件には、従業員や労働組合との間で十分に説明と協議を行うことが含まれます。整理解雇の具体的方針が決まったら、会社側から対象者や労働組合に方針を伝えます。労働者側の意見聴取も十分に行い、希望退職に応じる、退職条件を改善する等の柔軟な対応をとる必要があります。

希望退職者募集等の代替手段を講じる

整理解雇の4要件の1つである「解雇回避努力義務の履行」として、前章の「要件2」で例示した代替手段を講じる必要があります。

対象者に解雇予告を行う

整理解雇の対象者が希望退職募集に応じなかった場合、まず退職勧奨を行います。退職勧奨に応じる場合は、特別退職金が支給される可能性があります。

希望退職・退職勧奨いずれにも応じなかった場合は、解雇予告が行われます。法律上、解雇予告を書面で行うことは義務づけられていないため、口頭で行われる可能性もあります。

退職手続

従業員を解雇した後、以下の退職手続が行われます。

  • 退職金支払い
  • 貸与物(制服、作業着等)の回収
  • 社会保険・雇用保険の資格喪失手続
  • 税金関連の手続
  • 離職票手続

離職票手続は、会社が会社所在地を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者離職証明書」を提出することです。整理会社の場合、離職証明書に記載される離職理由は「会社都合退職」となります。
会社都合退職は、労働者にとっては失業手当をすぐに受給できるメリットがある一方、会社にとっては雇用保険関係の助成金受給や特定技能外国人の雇用が一定期間制限されるデメリットがあります。

整理解雇の場合、他の解雇の場合に比べて会社が勝手に自己都合退職扱いするケースは少ないのですが、万一離職理由を「自己都合退職」にされた場合は、労働者側からハローワークに異議を申し立てることができます。

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整理解雇で退職金はもらえるか

整理解雇の対象となった場合、気になることの1つに「退職金を払ってもらえるか」ということがあるのではないでしょうか。また、「解雇に納得できないが、不当解雇を主張すると退職金や、その他のお金がもらえなくなってしまうのではないか」と心配される方がいるかもしれません。

ここでは、整理解雇される場合に退職金の支払いを受けられるか、退職金が支払われない場合の対処法、さらに不当解雇を主張される場合に退職金その他の金銭の請求ができるかを解説していきます。

1 就業規則・退職金規程に定めがあれば支払われる

整理解雇の場合、就業規則や退職金規程に退職金を支払う旨の定めがあれば、退職金が支給されます。退職金には、就業規則や退職金規程に規定されている通常退職金と、会社が労働者を説得するために上乗せして支払う特別退職金があります。

会社が支払義務を負うのは通常退職金のみで、特別退職金については支払義務はありません。

2 通常退職金は会社都合で計算する

通常退職金については、会社都合退職と自己都合退職で計算方法が区別されていることが多くあります。通常、会社都合退職の退職金は、自己都合退職の場合よりも多くなるように設定されています。そのため、整理解雇の場合は、通常の退職金について、有利な条件で計算してもらえる可能性が高いでしょう。

3 特別退職金の上乗せ相場

整理解雇における特別退職金の支給金額については、以下のような要素によって定められます。

  • 勤続年数
  • 労働者がその会社で働き続ける意思の程度
  • 未払い賃金の有無や金額

上乗せ相場は、おおむね賃金3か月分~6か月分程度とされています。

4 特別退職金が支払われない場合の対処法

整理解雇の場合、通常退職金はほぼ支給されるといってよいでしょう。しかし、会社の経営状況その他の事情により、特別退職金が上乗せされない場合があります。特別退職金が支払われない場合の対処法として以下が挙げられます。

(1) 退職合意書に署名押印しない

特別退職金は、会社が整理解雇対象者に対して退職してくれるように説得するため、退職条件を良くする目的で提案するものです。しかし、整理解雇対象者がすぐに退職合意書に署名押印してしまうと、その時点での退職条件に合意したとみなされ、退職条件引き上げの交渉が難しくなります。

そのため、退職条件に納得できない限り、退職合意書には署名押印しないようにしてください。

(2) 弁護士に相談する

特別退職金を請求する場合や、提示された退職金額の増額を求める場合、会社と交渉することになります。しかし、労働者が単独で会社と交渉して、納得いく額の退職金を認めてもらうことは容易ではありません。また、うっかり合意をほのめかすような発言をしてしまい、「合意した」と主張されるおそれもあります。

リスクを避けながら会社と対等に交渉するために、解雇予告を受けたらできるだけ早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

5 不当解雇を主張する場合は退職金がもらえる?

不当解雇を主張する場合、「退職金」を請求すると円満に退職したものとみなされるため、退職金という名目での金銭の請求はできなくなります。しかし、違法な解雇に対しては、①解雇日から現在までの期間の賃金相当額の金銭(いわゆる、バックペイの支払い)、②和解により退職合意した場合には解決金、③執拗な退職勧奨や退職に際してパワハラ等があった場合には慰謝料を含む損害賠償請求が取れる場合があります。

不当解雇を主張する場合に、退職金の代わりに請求できる金銭は、解雇の効力を争う場合(撤回を求める場合)と争わない場合で以下のようになります。

退職金の代わりに請求できる金銭
解雇の効力を争う・バックペイ(解雇日から現在までの期間の賃金相当額の金銭)
・慰謝料(立証が必要です)
解雇の効力を争わない・解決金(退職金相当の解決金)
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整理解雇を言い渡された際の注意点やNG行動

整理解雇を言い渡された際に注意すべきなのは「安易に、退職に合意したとみなされる行動をとらない」ことです。特別退職金が払われない場合の対処法として前述した「すぐに退職合意書にサインしない」ことに加えて、以下の点に注意しましょう。

すぐに解雇予告手当や退職金を請求しない

解雇予告手当は、即日解雇を言い渡された場合に請求できます。また、解雇日の30日前よりも後に解雇予告された場合、30日前から経過した日数分の平均賃金相当の解雇予告手当を請求することが可能です。

しかし、解雇予告手当や退職金は、退職に合意したことを前提として支払われるものです。また、退職の意思があるとしても、退職金を先に請求してしまうと、会社にとっては条件を上乗せしなくてもよくなるため、特別退職金の支払を受けられなくなる可能性があります。

解雇に対して納得できない場合は「退職に合意できない」旨を明確に伝えてください。また、退職の意思がある場合は、退職条件が提示されてから、合意するか否かを判断するようにしましょう。

できるだけ早く弁護士に相談する

また、「解雇を言い渡されたら、放置せずにできるだけ早く専門家に相談する」ことも大切です。解雇通知を受けた後、解雇理由証明書の請求や退職手続等を行わずに放置していると、退職に合意したとみなされるだけでなく、自己都合退職扱いされてしまう可能性もあります。放置する理由として「解雇に納得できないから」あるいは「どうすればよいかわからないから」ということが考えられますが、いずれの場合も専門家のアドバイスを受けて適切に対処しなければなりません。放置による不利益を受けることを防ぐためにも、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。

ウカイ&パートナーズ法律事務所では、不当解雇や退職勧奨を含む労働問題の相談につき、30分無料相談が可能です。労働問題に知見のある弁護士が対応しますので、業績悪化を理由とする解雇についてもお気軽にご相談ください。

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弁護士への相談(「業績悪化」で不当に解雇されたら弁護士に)

「業績悪化」を理由とする解雇に納得がいかない場合、会社と交渉して解雇撤回やバックペイを請求したり、退職を条件として解決金を請求することができます。また、退職金の提示額が低すぎると思われる場合は、上乗せを請求できます。しかし、労働者が単独で会社と交渉して請求を認めてもらうことは困難といえます。会社が交渉に応じてくれなかったり、あるいは顧問弁護士に依頼して会社側の事情だけを一方的に主張し、請求を拒否されてしまう可能性もあります。

労働問題に知見のある弁護士に相談することで、まず解雇が有効か、不当解雇の疑いが強いかを判断してもらえます。その上で、相談者の方の意向に沿いながら、行う請求について方針を定め、労働者を代理して会社と対等な立場で交渉することができます。また、交渉が成立しなかった場合も、代理人として労働審判や裁判等の法的手続をすべて任せられます。

弁護士に相談すると費用がかかりますが、多くの法律事務所では初回法律相談または初回法律相談の一定の時間を無料で行っています。無料相談の時間内で、問題解決の見通しや、弁護士費用見積もりなどを詳しく聞くことができます。相談したうえで、弁護士に依頼するか検討しましょう。

ウカイ&パートナーズ法律事務所では、不当解雇や退職勧奨を含む労働問題の相談につき、30分無料相談が可能です。労働問題に知見のある弁護士が対応しますので、業績悪化を理由とする解雇についてもお気軽にご相談ください。

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まとめ

「業績が悪い」という理由で行う解雇は、懲戒解雇や普通解雇とは異なる「整理解雇」にあたります。会社の経営上の理由で従業員の地位を奪うことになるため、整理解雇が認められるためには厳格な要件を満たしていなければなりません。説明会や面談を行わなかったり、従業員から見て経費削減策を十分に行っていない、解雇対象の選び方が不公平である等と思われる場合は、不当解雇の可能性があります。

一方、整理解雇が不当解雇にあたるかどうか、厳密に判断するには専門知識が必要です。また、労働者単独で不当解雇を主張して会社に対して解雇撤回やバックペイ、または解決金の請求等を認めてもらうことは容易ではありません。労働問題に知見のある弁護士に相談することで、不当解雇を主張できるか的確に判断してもらうことができます。また、弁護士が労働者を代理して会社と交渉することで、請求を認めてもらえる可能性が高くなります。

ウカイ&パートナーズ法律事務所では、所属する全弁護士が、業績悪化を理由とする解雇が有効か無効かを検討・判断した上で、とりうる対処法について懇切丁寧にお答えします。当事務所では、初回30分無料で法律相談をお受けしています。業績悪化を理由に解雇されて対処にお困りの方は、ぜひ当事務所の無料法律相談をお申し込みください。

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