認知には、父親や自らがなす任意認知と、父親の意思に反してでも強制的に認知を行うことになる認知の訴えがあります。
認知に関しては、父親の意思を重視する意思主義の考え方と、生物学上の父子関係の事実を尊重する事実主義の考え方があります。
意思主義とは、もっぱら父親の意思を中心に考え、父親が認知をしない場合に認知の訴えとして、本当の父親を探してもらう訴えを認めていくものです。
これに対して、事実主義とは、親子関係の真実を重視し、親子関係を確定させ、父親の意思を問題にしないものです。
意思主義に徹すれば、嫡出でない子の認知はすべて父親の意思にのみかかっていることになり、これに対して事実主義に徹すれば、父親の意思の要素は消えます。
現在では、意思主義から事実主義に移行しつつあるといえますが、父親の意思を完全に消し去ることはできないのが現状です。