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離婚問題テーマ別解説
~養育費をいくらにするか?

養育費の問題について、弁護士に相談したい方も多いではないでしょうか。子供のいる夫婦が離婚することになった時、しばしば問題になるのが「子供の養育費をどうするか」です。ウカイ&パートナーズ法律事務所でも、離婚に関するご相談の中で相手に養育費をいくら請求できるか、あるいは養育費の支払額を少なくしてもらうにはどうしたらよいか、元配偶者からの養育費の支払いが途絶えてしまったのでどうすればよいか等の質問を頂くことが非常に多くあります。
本記事では、養育費の支払額、後から支払額を変更することができるか、養育費が支払われなくなった場合の対処方法等について解説します。

参照:裁判所「養育費に関する手続

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養育費はいくら支払わなければならないか

養育費とは、離婚した夫婦に未成熟(経済的に自立していない状態)の子供がいる場合に、その子供の養育のために必要となる費用のことです。子供の父母が協議離婚(夫婦間の話し合いによる離婚:民法第763条)する場合は、養育費の分担についても協議して取り決める必要があります(民法第766条1項)。

子供の親権者(民法第819条1項)に定められたか否かにかかわらず、子供と同居して養育する方の親(権利者)は、別居する方の親(義務者)に対して子供の養育費の支払いを請求することができます。本記事では義務者が権利者に対して養育費をどの程度支払う必要があるかについて解説します。

1.家庭裁判所の養育費算定表と実際の相場

(1)養育費の支払の頻度については夫婦で取り決めることができる

「養育費をいくら支払うか」を決める時、双方の念頭にあるのは「毎月何万円ずつ」という月額払いのイメージだと思います。確かに、「毎月末までに5万円」のように決まった金額を毎月支払う旨定められることが多いです。

しかし、養育費の支払方法についての法律上の決まりはありません。従って、双方が合意することができていれば100万円を超える金額を一括払いするといったことも可能です。

また、合意の上であれば財産分与や慰謝料支払いに含めたり、名目を養育費としながらこれらと併せて一括払いすることもできます。

ただし、それは義務者の方にその金額を一括払いできるだけの資力が求められるため、多くの場合は月額払いで取り決めることになります。また、当事者通しで解決できずに裁判所において養育費を取り決める場合には、ほぼ全てのケースで月額払いとされます。以下、養育費を月額払いで支払うことを前提に解説します。

(2)養育費の支払額については家庭裁判所の「算定表」を参考に取り決めることができる

①支払額の平均

厚生労働省が5年ごとに公表している「全国ひとり親世帯等調査の結果」(2016年度)によると養育費の平均月額は監護親が母親である場合(母子世帯)で約43,700円、父親の場合(父子世帯)で32,550円となっています。子供の人数別の平均月額は以下の通りです。

子供1人子供2人子供3人
母子世帯38,20748,09057,739
父子世帯29,37532,23242,200
②養育費の支払月額は個別の事情を考慮しながら養育費算定表を目安として定める

義務者が権利者に対して毎月支払う養育費額の目安としては、家庭裁判所が公表している養育費算定表があります。それぞれが給与所得者・自営業者いずれに該当するか・年収・扶養義務のある子供の人数・年齢等に基づいて定めることになります。(なお、給与所得者でも副業収入や家賃収入等給与以外の収入がある場合には、収入として年収に加算されます。)必ずこれに従わなければならないわけではなく、権利者・義務者・それぞれの子供の事情を考慮した上で、話し合いによって双方が合意した金額に定めます。なお、養育費は慰謝料(民法第710条)と同様、課税対象になりません。

養育費はあくまで子供の利益のために支払われるもので、その支払額については双方の事情を全て考慮して公平に定める必要があります。この点、当事者のみで協議を進めるとどちらかが不当に不利な条件を承諾させられる可能性があります。養育費算定の実績を持つ弁護士に相談することをお勧めします。  ウカイ&パートナーズ法律事務所では、離婚問題の中でも、婚姻費用の請求や養育費未払いの請求につき、代理人弁護士として、相手方と交渉し、調停や審判の申し立てを致します。是非、我々弁護士にご相談下さい。

(3)養育費が高くなる場合

養育費が高くなる、つまり多額の養育費を支払うことになるのは基本的に義務者が自営業者で、年収が自営業者の平均年収と比較して多い場合です。さらに「権利者の年収がゼロか少ない」「権利者(収入がある場合)が給与所得者」「子供の人数が2人以上」「15歳以上の子供が含まれる」という条件が加わるほど算定表上の養育費は多額になります。

①権利者の収入がゼロあるいは少なく、かつ15歳以上の子供がいる場合

例1:離婚協議の時点で権利者である妻の年収がゼロ、義務者である夫が自営業者で年収850万円、15歳の子供1人→表2により16~18万円

例2:権利者である妻が給与所得者で年収200万円、義務者である夫が自営業者で年収600万円、子供が15歳と17歳の2人 →表5により12~14万円

②権利者の収入がある程度あるが、15歳以上の子供を含めて扶養義務のある子供が3人以上いる場合

例3:権利者である妻が給与所得者で年収400万円、義務者である夫が自営業者で年収800万円、子供が10歳・13歳・17歳の3人 →表7により16~18万円

例4:権利者である妻が自営業者で年収500万円、義務者である夫が自営業者で年収700万円、子供が14歳・16歳・18歳の3人 →表8により12~14万円

(4)養育費が安くなる場合

養育費が安くなる、つまり支払う養育費額が少なくなるのは基本的に義務者が給与所得者で年収が給与所得者の平均年収と比較して少ない場合です。これに「権利者が自営業者」「権利者の収入が多い」「子供が1人」という条件が加わるほど算定表上の養育費額は少なくなります。

①権利者の収入が義務者より大幅に多い場合

例5:権利者である妻が自営業者・年収700万円、義務者である夫が給与所得者・年収400万円で16歳の子供1人 →表2により2~4万円

②権利者の収入は義務者より少ないが、子供が1人で14歳以下の場合

例6:権利者である妻が自営業者・年収300万円、義務者である夫が給与所得者・年収400万円で12歳の子供1人 →表1により2~4万円

2.養育費を後から請求したり増額してもらうことはできるか

(1)後から請求することができる場合

離婚協議当時に公正証書や調停等裁判上の手続において養育費の取り決めをしていた場合には、後から養育費の支払いを請求することは可能です。離婚時に養育費を定めていなかった場合には、後から請求しても認められないことが多いです。そのため、直ぐにでも、養育費請求調停を家庭裁判所に申し立てましょう。

(2)請求権の消滅時効に注意

離婚協議当時に養育費を請求できることを監護親が知っていながら養育費の取り決めをしていなかった場合、離婚成立から10年が経過すると請求権が時効にかかり消滅することになります(民法第168条1号)。この場合、10年を経過した時点以降発生する養育費を請求することができなくなります。また、10年経過以前の養育費額について遡って請求することは法律的に不可能ではありませんが、金額が大きくなることや「それまでは養育費の支払いがなくとも生計を立てることができていた」という事実が存在することから、実際には難しくなります。

なお、民法第168条1号は「債権を行使することができることを知った時から10年間行使しないとき」と定めています。そのため、協議当時に養育費を請求できることを監護親が知らなかった場合で、離婚成立から10年経過した時点で子供が自立していない場合は家庭裁判所に養育費支払いを求める調停を申し立てることができます。この場合、権利者が請求できるのは調停申立て時以降に発生する養育費に限られます。

(3)後で増額してもらうことができる場合

離婚協議当時に定めた養育費の支払いを継続して受けている場合でも、例えば以下のような事情が生じた場合には増額を請求することが可能です。この場合も、話し合いがまとまらなかった場合は調停を申し立てることができます。

(a)離婚協議当初権利者にある程度収入があったがその後就労困難になったり、収入が大幅に減ってしまった

(b)子供が私立高校や理系の私立大学に進学することになった

なお、離婚後に義務者が転職や起業に成功した等によって収入が大幅に増え、そのことを権利者が知った場合に、事情を知った時点から養育費を増額してもらえるかという問題もあります。これについてはその時点での協議により義務者が承諾した場合は可能です。

ただし、前述の(1)の時効期間経過前までの養育費の請求の場合と似て、権利者が事情を知った時点までは当初の養育費額で生計を立てることができていたことになります。従って、義務者と話し合いで折り合いがつかなかった場合、調停を申立てて増額請求することは可能ですが、義務者の方に上記(a)(b)のような事情が生じていない限り請求が認められる可能性は低いといえます。

3.養育費を後から減額してもらうことはできるか

(1)義務者が失業したり収入が大幅に減った場合

離婚後に義務者が失業したり、病気等で就労困難になったり、その他災禍等の事情で収入が大幅に減少した場合には、権利者との協議により養育費支払額を減額してもらうことが可能です。話し合いがまとまらなかった場合は調停を申し立てて減額請求することもできます。調停で減額請求する場合、収入がなくなった・大幅に減少してしまったことを証明する資料(診断書や給与明細、失業保険の申請書類等)を提示する必要があります。なお、収入がなくなった・大幅に減少してしまった原因が本人の責任とはいえない場合のほうが請求を認められる可能性が高くなります(飲食店経営者がコロナ禍で閉店せざるを得なくなった場合等)。

(2)義務者が再婚した場合

義務者が再婚した場合は、義務者は新しい配偶者との婚姻費用分担義務(民法第760条)を負います。もっとも、再婚をしただけで養育費の減額請求が認められることはあまりありません。再婚したことに加え、再婚相手の子供と養子縁組した場合、再婚相手との間に子供が生まれた場合にはその子供が経済的に自立するまで扶養義務を負うことになります。従って、再婚相手の経済事情や再婚相手の子供の数や年齢等の諸事情に照らして妥当な範囲で養育費の減額を請求することができます。調停を申し立てる場合は再婚の事実と再婚相手の収入、子供に関する事情を証明する資料(再婚後の住民票・戸籍謄本・再婚相手の課税証明書・児童手当等の手当の受給者証等)を提示する必要があります。

(3)養育費を払いすぎていたことがわかった場合

離婚後に、転職や起業に成功したこと等によって権利者の収入が大幅に増え、そのことを義務者が知った場合に養育費を減らしてもらうことができるでしょうか。これについても、協議により権利者が承諾した場合は可能です。話し合いがまとまらなかった場合は調停を申し立てることができますが、2.の時効期間経過前の分の請求や義務者の収入大幅増加を権利者が知った場合に似て、それまでの支払額での支払いが継続できていたという理由が成り立ちます。従って、義務者側の責任によらずに収入が減少したような事情が認められない限り、権利者の収入増だけを理由とする減額請求が認められる可能性は高いとは言えません。

4.養育費を最初から・途中から支払わずに済む方法はあるか

(1)最初から支払わなくて済む場合

養育費の支払義務を法律上免除する規定はありませんが、協議によって双方が合意すれば別居親が養育費を支払わなくて済む場合もあります。一般的には、子供が1人で親権者かつ監護権者と定められた親の収入が十分にあり、他方の(別居する)親の収入が少ない場合です。例えば父親が親権者かつ監護権者と定められ、その年収が700万円で子供が1人、別居する母親の年収が200万円であった等です。

(2)途中から支払う必要がなくなる/支払を免除してもらえる場合

途中から支払う必要がなくなるのは、子供が就職して経済的に自立した時点からです。支払を免除してもらえるのは、減額の場合と同様に義務者が失業や病気・怪我等で収入がなくなった・大幅に減ったという事態が発生し、協議によって権利者が同意した場合です。

なお、権利者が再婚した場合に権利者の再婚相手が子供と養子縁組(民法第795条)した場合は法律上の親子関係が生じます。従ってその子が自立するまで再婚相手が扶養義務を負うことになるので、義務者の養育費支払義務は消滅します。権利者の再婚相手が、自らも前婚の子供の養育費を支払っている等の事情により権利者の子供との養子縁組を行わなかった場合は、離婚協議当時あるいはその後の協議によって定めた期限に至るまで養育費を支払うことになります。

養育費はいつまで払うのか

養育費を支払うことになった場合、月額とともに気になるのが「いつまで支払うことになるのか」ということではないでしょうか。そこで本章では養育費の支払いが必要な期間について解説します。

1.養育費は子供が何歳になるまで支払う必要があるか

養育費は、子供に対する親の監護費用分担義務(民法第766条)に基づくものです。養育費の支払期間そのものについては明文の規定はありませんが、民法第766条に照らし少なくとも子供が成年に達するまでは養育費を支払う義務があることになります。 ただし、2022年4月1日以降は改正民法第4条の施行により成人年齢が18歳となります。18歳の誕生日を迎えた時点では大多数が高校等に在学中であるため、まだ経済的に自立していないことになります。

従って、個別の事情に応じて可能な限り子供が経済的自立を果たすまでは養育費を支払うという取り決めを行うことが推奨されます。例えば協議時点では「高校卒業まで」と定めておき、子供の進路志望が明確になってきた時点で再び協議を行い「大学/専門学校卒業まで」と定めるというものです。あるいは最初から「子供が就職するまで」と定めることも可能です。なお、協議時点で未成年の子が2人以上いる場合、第一子が就職した時点で養育費の支払額は第二子以降の分のみに減額してもらうことができます。減額後の月額については再び協議して、その時点での双方の経済状況等に照らして決めることになります。

養育費を支払わなかった場合

協議や調停で養育費の取り決めを行ったにもかかわらず、養育費が支払われなかった場合や途中で支払いが滞ってしまった場合はどのようにすればよいでしょうか。また、そのような未払いを事前に防ぐことはできるでしょうか。本章では養育費の未払いを防止するための手続及び、養育費が支払われなくなった場合の手段について解説します。

1.養育費未払い防止のための手続方法

(1)養育費の定めを含む離婚協議書を執行認諾文言付き公正証書として作成する

養育費未払いを防止するためには、離婚協議の際に協議書を執行認諾文言付き公正証書として作成することにより、協議書の養育費支払いに関する取り決めに強制力を発生させることが必要です。

「強制力」とは、判決等の裁判所の手続を経ることなく、債務者の財産を差し押さえる等の強制執行を行って債権を回収することを可能にする法的効力を意味します。

協議書を執行認諾文言付き公正証書として作成するためには、その内容につき双方が合意した上で協議書(案文)を作成して、それぞれの本人確認書類と戸籍謄本(子供の記載があるもの)及び所定の手数料とともに公証役場に持参します。この際、当事者のいずれかまたは双方が公証役場に出頭できない事情がある場合は委任状を作成して公正証書作成依頼を代理人に委託することができます。 公正証書作成手数料は支払期間中の養育費の総額を目的価額として、その目的価額に対応する金額となります。例えば、目的価額が(月額5万円X8年間)で480万円の場合の手数料は11,000円となります。

(2)調停・審判・裁判による離婚では調書・判決正本に強制力が生じる

調停や審判、裁判(判決または和解)により離婚した場合には、調停調書・審判調書・判決正本または和解調書に強制力が生じます(家事事件手続法第268条1項、第287条、民事訴訟法第267条、民事執行法第22条1号)。 これら強制力を持つ証書・調書等が発行された場合は、公正証書の場合は公証役場、その他の場合は裁判所に「送達証明書」の発行を依頼して発行を受けておくと速やかに強制執行手続を行うことができます。

2.養育費が支払われなかった場合

(1)家庭裁判所の履行勧告・履行命令制度を利用する

この制度は、調停・審判・裁判の判決または和解手続によって離婚が成立した場合に利用することができます(協議離婚の場合は、執行認諾文言付き公正証書を作成している場合でも利用することができません)。履行勧告(家事事件手続法第289条)は、家裁に履行状況調査及び履行勧告・督促を依頼する制度です。履行勧告には強制力が生じないものの、裁判所が義務者に対して直接養育費支払の督促を行うことによる一定の効果が期待できます。

履行勧告によっても支払がなかった場合、家裁が相当と認めた場合は一定の期限を定めた履行命令を発してもらうことができます(家事事件手続法第290条)。この命令に正当な理由なく従わない場合は10万円以下の過料に処せられるため、履行命令には一定の強制力があります。履行勧告・履行命令制度は(2)に比べると効力は弱いものの、費用がかからず、口頭での申立ても可能である等手続も簡便であることが利点です。

(2)内容証明郵便により養育費支払を請求する

協議離婚で協議書を作成していた場合は、執行認諾文言付き公正証書による作成を行っていたか否かにかかわらず、内容証明郵便により期限を定めた支払いを請求することができます。 ただし、期限までに支払いが行われなかった場合に強制執行を行うことができるのは、養育費の定めを含む協議書を執行認諾文言付き公正証書として作成していた場合に限られます。

(3)強制執行手続を行う

①強制力のある証書・調書が存在する場合

(a)強制執行手続に必要なこと
上記の強制執行認諾文言付き公正証書として作成した協議書や調停調書等が存在し、かつ内容証明郵便による請求を行っても支払われなかった場合、あるいは(1)の手続が可能な場合にそれを行っても履行されなかった場合は以下の手順で強制執行手続を行います。

(i)それぞれの証書または調書と送達証明書を用意する

(ii)義務者(債務者)の現住所を把握する
・義務者の本籍のある役所で、義務者の戸籍の附票を発行してもらう
・本籍が不明の場合は義務者の住民票の発行請求を行い、住民票から転居先を調べる
正当な理由がある場合は本人以外の第三者による住民票発行請求が可能です。義務者と婚姻関係があったことを示す戸籍謄本や、(i)の写し、養育費の振込の記録のある預金通帳等を提示することで発行請求できます。

(iii)債務者の財産情報を把握する
債務者の勤務先を特定する、または裁判所に財産開示請求を申し立てる方法により、債務者の財産に対して強制執行が可能であるか否かを確認します。

【強制執行可能な財産】

(a)現金及びその他の動産

現金については、差押禁止動産を定めた民事執行法第131条3項「標準的な世帯の2か月間の必要性経費を勘案して政令で定める額の金銭」、すなわち66万円までについては差押えが禁止されています。これを超える分については、養育費の支払いに必要な範囲で差押えが可能です。その他の動産には宝飾品・美術品・ブランド衣類等が該当します。この点、債務者の生活や仕事に必要な家財道具・備品類(パソコン・プリンタ等)や法令により設置が義務付けられた消防機械器具等、民執法第131条の差押禁止動産に該当する動産は除外しなければなりません。

(b)不動産

養育費請求権の回収に必要な場合は、債務者名義の土地や建物を差し押さえて競売にかけることができます。

(c)債権

事実上、養育費の支払を受ける上で最も有効なのが債務者名義の給与債権と預貯金債権の差押えです。給与債権の差押えは、税金等を控除した手取り金額の2分の1を超えない範囲で、定められた養育費の月額の差押えが可能です(民執法第152条1項3号)。 また、養育費に関しては、確定期限が到来していない定期金債権(翌月以降の給与債権等)についても、その支払いに必要な範囲で差押えが可能です(民事執行法第151条の2第1項3号)。

預貯金については給与債権のような差押範囲の制限がなく、全額を差押対象とすることができます。従って未払い分の金額を一括差押することも可能です。ただし、預貯金の差押が認められるのは1回限りであるため、残高が未払い分に満たなかった場合に以降入金された預貯金を差し押さえるためには再度の申立てが必要になります。

②強制力のある証書・調書が存在していない場合

まず、離婚後であっても協議書を執行認諾文言付き公正証書として作成することは可能です。また、債務者が養育費支払を拒否している等の事情により公正証書作成が難しい場合は、簡易裁判所に「支払督促申立て」を行い、仮執行宣言付支払督促を取得するという方法もあります。

3.未払い養育費の回収については弁護士に相談を

以上に述べたように、未払いの養育費の支払を受けるための手続は複雑で面倒なものが多く、特に執行認諾文言付公正証書作成依頼や強制執行手続、執行認諾文言付公正証書を作成していなかった場合の手続を権利者本人が行うことは困難が伴います。この点、養育費関連の手続のプロである弁護士に相談すれば、適切な対応を迅速に行うことで養育費の回収を受けられる可能性が高くなります。

養育費が支払われなくなった場合は諦めずに弁護士にご相談下さい。

まとめ

養育費についてはしばしば、支払月額を少なくしてもらいたい・減額してもらいたい義務者と多く支払ってもらいたい・増額してもらいたい権利者との間で話し合いがまとまらない、あるいは途中で支払いが滞ってしまう等のトラブルが発生します。

ウカイ&パートナーズ法律事務所では、所属する全弁護士が離婚のご相談に伴う養育費についての疑問や、実際に生じている問題に対処する方法等について懇切丁寧にお答えします。当事務所の法律相談は初回30分無料で、平日の夕方のお仕事帰りの時間や土日にもお越し頂けます。養育費のことでお悩みの方は、ぜひ当事務所の30分無料法律相談をお申込み下さい。

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